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楽曲解説


カンタータ170番 BWV170

満ち足りた安らぎ、魂の愉悦

Vergnügte Ruh', beliebte Seelenlust

初演 1726年7月28日、 再演1746/47
編成 アルト独唱 
独奏オルガン、オーボエ・ダモーレ、ヴァイオリン1・2、ヴィオラ、通奏低音
用途 三位一体後第6日曜日

ソロカンタータは1726年から1727年にかけて多く作曲されたが、アルトのためのものはBWV170, BWV35, BWV169の3曲である。いずれも独奏オルガンのパートが充実しており、オルガン協奏曲ともいえる楽章が目を引く。

(以下の譜例をクリックすると出だしをmidiで聞くことができます)

第1曲 アリア 

編成:アルト、オーケストラ、通奏低音

オーボエダモーレとヴァイオリンのユニゾンによってつくられるやわらかい響きで、魂の休息に対する憧れを歌う。

第2曲 レチタティーヴォ 

編成:アルト、通奏低音

第3曲 アリア 

編成:アルト、独奏オルガン、ユニゾンのヴァイオリン・ヴィオラ


通奏低音は休止し、その役割をヴァイオリンとヴィオラのユニゾンが担う。2段鍵盤の独奏オルガンが2声でオブリガートを奏する。「jammern=悲嘆する」を描写する、ため息の音形が多用されている。

第4曲 レチタティーヴォ 

編成:アルト、ヴァイオリン1・2、ヴィオラ、通奏低音

第5曲 アリア 

編成:アルト、独奏オルガン、オーボエダモーレ、弦合奏、通奏低音


曲の先頭でいきなり増4度(D,Gis)が提示されるが、この通常は忌避される音程で「ekeln=ひどくいやだ、吐き気がする」が音楽的に強調される。独唱はこの世における生のわずらわしさを歌う。
この曲においては独奏オルガンが華々しいソロを繰り広げるが、代わりにフルートがそのパートを演奏する版もある。